綿糸てせのブログ

電通大の基礎プログラミングの単位を高校生のうちに取ろう

この記事はUEC25 その4 Advent Calendar 2025 16日目の記事です。昨日はしろまるさんの「神話生物達と家族ごっこをしてみよう!」でした。

はじめに

みなさんこんにちは。UEC25の綿糸てせです。電通大の高大連携先取り学修という制度で1年次必修のプログラミングの講義の単位を高校生のうちに取得したので、当記事ではその話をします。

当記事は筆者が2022年に高大連携基礎プログラミングを受講したときの朧気な記憶、ならびにかろうじて残っていた当時の資料に基いて執筆しています。正確な最新情報が必要な際はこのようなカスの個人ブログなどではなく、電通大の情報部会が公開している講座公式サイトを参照しましょう。

高大連携基礎プログラミングとは?

高校と大学の連携によって、様々な分野で高い能力と意欲を持った生徒に高度な教育を提供するという「高大連携教育」なる取り組みが近年推進されています。電通大は高大連携教育のプログラムとして、理科学実験やプログラミング入門といった高大接続教育のほか、やる気と暇のある高校生に電通大の必修のプログラミングの講義を先取りで受けさせる制度である高大連携基礎プログラミングを用意しています。

この講座では電通大の1年後期で全学生の必須科目となる「基礎プログラミングおよび演習」を高校生がオンラインで受講して演習を行います。これを所定の要件を満たして修了することで、大学進学後に基礎プロの単位認定を受けることができます。電通大以外の大学でも単位認定が行われた事例があるようです。

申し込み

筆者が受講した2022年には高大連携基礎プログラミングの受講申し込みは高校単位でのみ受け付けていましたが、現在は個人単位での申し込みも受け付けているようです。詳細は講座公式サイトを参照しましょう。

基本的には「高校生向け情報」「高等学校の先生向け情報」などのページを参考に、いい感じに書類を整えて高校経由で郵送して提出することで申し込みを行います。

筆者が高校の同級生と申し込みをした際には、事前課題として「プログラミングについて学ぶことは自分にとってなぜ必要か」というテーマの作文が課されました。単純作業の自動化は楽しいし、そのためにわけのわからない独自形式のファイルを吐き出すヘンなソフトは滅ぶべきだ、といった趣旨のことを書き散らした文章を提出したら通りました。したがっておそらくは大したことを書かなくても大丈夫だと思います。プログラミングを学ぶ意欲がありはするということが伝われば問題ないでしょう。

申し込み書類を郵送してしばらくすると高校に資料類が届くので、これを担当教員から受け取ります。資料の指示に従って、講義を受講するための各種アカウントのセットアップや、演習で使用するプログラミング言語の環境構築などを行います。

大学から郵送される資料類には科目等履修生としての身分証も同封されています。これは電通大の学生証とほぼ同一のフォーマットをしたプラスチック製のカードであり、筆者は有効期限が切れた今もお守り?として財布に入れています。

講義の受講

7月中旬に初回のスクーリングがあり、ここで大学のキャンパスに出向いて講座についてのガイダンスを受けます。初回のスクーリングはオープンキャンパスと同時開催なので、大学構内を散策したり、公開中の研究室を覗いたりすると面白いでしょう。

このとき、演習室のある東3号館前の特徴的な彫刻に腰掛けて靴紐を結んだ覚えがあるのですが、これが「輪郭の断片」という名を持ち、触れた者の単位を奪うという曰く付きの彫刻であることを知ったのは電通大に入学した後のことでした。

初回スクーリングが修了すると、以降の講義は基本的にオンラインで進行します。電通大生がコンピュータリテラシや基礎プログラミングの講義で使用しているMoodleというWebサイトにログインし、そこで講義資料の閲覧やレポートの提出を行います。テキストに従って各章の演習課題を各自で進めていき、それらのレポートをMoodleで提出します。

使用するテキストはオリジナルのものであり、その全文はMoodle上に公開されます。スクーリング当日には大学生協で紙のテキストも販売されているので、これを購入して利用するのも良い選択でしょう。

講座の参加者には学内に用意されている教育用Linuxサーバであるsolのアカウントも発行されるため、大学のコンピュータ上に既に用意された演習環境を遠隔で触ってウハウハすることもできます。筆者は自分のPCにRubyとCの環境を建てて演習を行っていたので、結局これはあまり使用しませんでした。

Moodle上では電通大情報部会の久野靖先生の講義動画も視聴することができます。筆者は最初数本こそ見たものの、それ以降の大半はテキストだけを参照して演習を進めてしまいました。当時はYouTubeの自動字幕機能が今よりもやや未発達だったようで、先生の言葉はひどくねじ曲げられて表示されていました。今思えば筆者と「久野語録」とのファーストコンタクトはここだったわけですね。

スクーリング

受講期間中に2回スクーリングがあるので、これに備えて計画的に課題を進めます。8月と11月に第2回・第3回のスクーリングがあり、これらで総合課題にあたる第6回および第15回で実施した内容の発表をします。

第6回の総合課題は美しいと思う画像をプログラムで生成するというもので、筆者は一次元セルオートマトンを描画するプログラムを作成しました。この発表の様子はどうやら広報用に撮影されていたようで、電通大高大連携のホームページにその様子が掲載されてしまったりしました。これで筆者も電通大顔晒し界隈の仲間入りです。柴さん今日からよろしくね

東3号館1階の演習室で総合課題の発表を行う筆者

第15回の総合課題は、アニメーションを生成するプログラムをグループワークで作成するというものでした。ペアになった高校の同級生には筆者のスキル不足で大いに迷惑をかけてしまいました。N君お元気ですか、そちらはこちらよりもはるかに寒い中大変でしょう。僕は慣れ親しんだはずの東京の寒さに打ち震えています

修了すると

無事に全15回のレポートを期限内に提出すると、修了証書が高校に郵送されてきました。筆者の在籍していた高校では全校朝礼が週に1回実施されており、そこで運動部の地区大会入賞などに並んで表彰していただくことができました。

この講座の修了は電通大の入試においても評価要素として利用されます。総合型選抜や学校推薦型選抜のみならず、一般入試でも合格ライン上での判定の際に参考にしているようです。

入学後の単位認定

晴れて (私の場合第一志望ではなかったのでこの表現が適切であるかについては議論の余地がある) 電通大に合格すると、レターパックで入学手続書類一式が郵送されます。これに「高大連携先取り学修を修了した者の単位の取り扱いについて」という紙が同封されているので、これに記載されたリンクからメールアドレスを登録し、単位認定のための資料をメールで受け取ります。

このメールはどうも目視確認と手動送信で処理されているようで、その配送は少々遅いですが気長に待ちましょう。筆者は2日近く待たされた挙句に痺れを切らして教務課に電凸しましたが、「数日に1回確認して都度送信しているので少し待て」との返答を得、その数時間後にようやく資料を受け取ることができました。

案内の資料とテンプレートを受け取ったら、それに従って所定の項目を埋めた既修得単位認定願を作成し、終了証書のスキャンと一緒に教務課学域教務係にメールで投げつけます。これが受理されるとその旨連絡がきます。基礎プロは後期の必修科目だが既習であるので履修登録するな、という注意も記載されているので気をつけましょう。

9月の初頭に前期の科目の成績発表があります。単位認定が正常に行われていれば、学務情報システム上の成績確認画面に、前期の科目と併せて基礎プロの項目が表示されます! 他大学や高専からの編入時の単位認定では成績が「認」のままとなる例が多いですが、この講座の単位は通常の科目と同様の4段階評価がつくのが特徴的です。(4段階の評価がつくまでには少々のタイムラグがありました。「認」になっていたときの成績のスクリーンショットを下に示します)

成績開示日当初の基礎プロの成績。評語「認」となっていた

筆者は喜ばしいことに4段階中の最上位である「秀」をいただけました! 学生の成績を評価する際には全科目の単位の評価の平均値であるGPAという指標を用いることが多いのですが、その値が本科目の単位認定によって2.1から2.3に上がりました。うれしい!

先述の通りこれで基礎プロの単位は既修得となるので、後期に開講される基礎プロの講義を受講する必要はありません。筆者の在籍するクラスの場合木曜の最終コマが空きになるので、翌日に提出が控える実験レポートの執筆などに時間を割くことができています。

おわりに

電通大の高大連携プログラムに参加することで比較的ハイレベルな講義を無料で受けられ、また大学生活をちょっとだけ楽にすることもできます! 高校生の皆様、おすすめです。

明日はあじおさんの「████」です。

参考文献